古い町並みの温かさに出会う
あてもなく歩いていると、突然、懐かしい香りが鼻孔にやってきました。それは、子供の頃に大好きだったサンザシの砂糖漬けの香りでした。味を追ってみると、小さな棒付きホーの砂糖漬けの屋台を見つけました。屋台の店主は親切な老婦人で、赤いホーの砂糖漬けを棒に串に刺していました。
たくさん買って一口食べてみると、懐かしいのに馴染みのない甘さが、のんきな童心に戻ったような気持ちになりました。おばあさんは笑顔で私を見て、この古い通りの変化や、ここに長年住んでいた経緯などを話しました。
私が家を出るとき、祖母は私に、これから一緒になる運命の人への贈り物だと言って、自家製のサンザシの砂糖漬けをたくさんくれました。思いがけない温もりを抱き、胸がいっぱいになりました。温もりのある古い町並みに触れると、幼い頃の記憶が甦るだけでなく、人と人との温かさや優しさを感じました。